NISAのココを変えたい!変えて欲しい!(2014)
FPによる商品レビュー
2014年1月1日からスタートした少額投資非課税制度『NISA』。
毎年100万円を上限として、配当金や売買益などが非課税になるというものです。
すでにさまざまな改善が求められていますが、日々お客さまのご相談を受けているファイナンシャルプランナーはどのような改善を求めているか、自由コメントでコメントしてもらいました。
日本証券業協会のNISAに関してのホームページはこちら
ズバリ!『FPが要望するNISAの改善点はコレ!』
総括:
大きく分けて
『現状のNISAの制度の中で使い勝手を改善して欲しい』という、今から実際にNISAの制度を使う際の改善要求と、
『制度的な改善して欲しい』という、今後NISAの利用をより活性化するための改善要求の意見がありました。
使い勝手の改善を求めるコメントでは、複数の証券会社での利用ができるようにしてほしい、証券会社毎の個別ルールの解消などの声がありました。
制度的な改善の要望には、「期間」「金額」の制限を改善、撤廃などの声が多く寄せられました。
具体的な内容については、以下の各FPによる「レビュー詳細」をご覧ください。REVIEW DETAILレビュー詳細
使い勝手の改善リクエスト
- 大澤FPの意見
- 複数の証券会社でNISA口座が持てるようにしてほしい
- 私自身がNISA口座の開設が1人1口座のみという制限でまだNISA口座の開設が出来ていません。私は独立系運用会社の商品を購入したいと考えていますが、独立系証券会社の商品は、大手証券会社では購入できず、それぞれの運用会社が持つ証券会社で購入しなくてはいけません。
複数の投資信託を購入する場合、それぞれの証券会社で口座開設をしなくてはならず、NISA口座が一人で1口座1金融機関しか開設できないと、複数の商品を保有することができないからです。
- 織田FPの意見
- 各証券会社の運用ルールの統一
- むむ!みなさん、マニアックですな?!掘ったら掘っただけ、色々でてくるのがNISAかもしれませんね。僕的には、NISAは制度の概要のことよりも、肝心なのは、ユーザー視点に立った時のユーザービリティだと考えています。各証券会社や商品によって制限などがマチマチで困っています。
使いづらい、わかりにくい、いちいち理解に苦しむ制度は、いらん!と思ってしまいます。
実際に、NISAで毎月1万円ずつ積み立てようとしたのに「口数」単位のものがあったり、「いや、おれは株だ」と思って「株式積立」をしようとしたのに「うちではできません」と、NISA口座を作った後に気付かされたり・・・。
もっと、わかりやすい表示ルールがあるといいな?と思うところです。
- 中島FPの意見
- 証券会社のシステムの向上
- NISAの制度は今後予定されている法案や今後の話を聞いていると、結構良い制度になると思います。FPとして、NISAに関するセミナーや相談を行っていて気になるのは、証券会社のシステムとNISAの制度の不一致です。1つの証券会社で投信は積立できるけど、株式は積立できないというところが結構多いです。
証券会社さんには株も投信もどちらも積立したいという方のニーズに合わせてもらいたいですね。
そういう証券会社があったら、僕はお客さんに『NISAやるならこの証券会社』て推奨しちゃいます。
ちなみに今は、NISAなら『ここ』という証券会社はないんですよね。
制度改善のリクエスト
- ひろえFPの意見
- 非課税投資期間
- 非課税投資期間を改善することで、定年後に向けた自己資金作りとしてもNISAが活用できるかと思います。現在設定されている期間では、次のような長期保有を前提としているニーズに合いません
・配当や優待を考えて購入している株式
・教育費や老後の生活資金として積み立てている投資信託
老後資金を準備する自助努力のために利用することや、20~30代の若い世代の資産運用を後押ししたいなら、少なくとも40~50年ぐらいの非課税期間を設ける必要があると思いますし、いっそ、無期限でも良いのでは?
- 駒崎FPの意見
- 非課税投資枠を年間500万円にアップ
- 非課税投資枠を年間500万円にアップさせることで、余裕資金の運用先候補が広がり、NISA口座を通じて商品を購入する人が増えると思います。
2005年頃、金融機関が多く販売した外貨建て個人年金保険が、今後10年満期を向かえます。満期受取金の再投資先にNISA口座を利用できれば利便性も高まります。
また、生前贈与資金の運用先にNISA口座を活用できます。
法定相続人が受け取った相続開始前3年以内の贈与資金は相続財産に含まれますが、贈与をした時の金額で評価されます。相続開始時点で資金が増加しても評価額は上がりませんので、非課税メリットを生かし、より高いリターンを期待するのも合理的かと思います。
- 林FPの意見
- 非課税投資期間
- NISAは、リスクを抑えた老後資産形成を若い人が始めるにはとてもいい制度だと思います。そのため、30代40代の人が始めると最低でも20年は続けてほしいと思うので、現行の最長でも10年というのが最大のネックです。
期間延長、できれば無期限にしてほしいと思います。それまでは様子見です。
- 渡邉FPの意見
- 非課税期間
- 現在の非課税期間5年を可能な限り長くしてほしいですね。
教育資金の準備やセカンドライフの年金作りに確定拠出年金との併用でNISAでの運用も考えられるように、20年以上の期間は欲しいですね。
子育て世代の家族は、教育資金の準備に、セカンドライフを意識する世代には年金作りに、20年ぐらい非課税期間あれば利用を考えられます。
自助努力での資産形成が問われる中、また低金利の中、長期に効率よく運用できるものを求められていると思います。
非課税期間を長期にすればNISAにその担い手になり、政府が誘導している貯蓄から投資への資金流用が出来ると思います。
- 真鍋FPの意見
- NISA口座利用の場合は贈与税を非課税にする
- この制度は貯蓄から投資への流れを促進する一つだと思いますので、この制度を利用した尊属間の贈与に関しては、既存の110万円の非課税枠とは別にNISA口座で運用非課税枠の累計500万円までを贈与税についても非課税としてほしいと思います。
祖父母から子・孫への資産移行については、教育資金や住宅資金での非課税制度はありますが、これらに該当しないケースや、単純に資産として渡したいケースに対応できます。なおかつ年齢の若い孫への贈与を行うことで、結果として長期投資を促すこともできるのかなと。