あなたが選ぶなら固定?変動?それとも? ~2014年版~
FPによる住宅ローン選び2014
2012年、2013年に引き続き、実際にFPが住宅ローンの金利タイプを選ぶとしたら「あなただったら、どちら(どれ)を選びますか?」という観点で答えてもらいました。「所得が低いから借りられない」とか「自営なのでフ○○トしか借りられない」とかはなしで「選べる状況であった場合」という前提でで答えてもらっています。
今回のレビュー時期は巷では、株価が好調で、景気浮揚感が出ている中、「住宅ローン(変動)金利が上昇するのではないか」と予想されていた時期にあたります。そのような状況の中、実際にお客さまの相談にあたるFPがどのような金利タイプを選ぶかと言う観点でご覧ください。
レビュー時期:2014年5月19日~6月11日FPが選んだ金利タイプはこれ!2014
回答した29名中15名が全期間固定を選択、圧倒的に全期間固定を選ぶ人が増えました。昨年、選ばれた固定と変動のミックス型を選ぶFPはいませんでした。
- 全期間固定:15名
- 変動:5名
- 10年固定:5名
- 5年固定:1名
昨年に比べると、固定を選択するFPが多くなりました。
固定金利型の中でも、全期間固定、10年固定と固定金利型の中でも長い期間の固定を選ぶ傾向が鮮明になりました。
フラット35の金利が史上最低を更新するなど、固定金利の金利が引き続き引き下げられている傾向にある中、変動金利の金利引き下げ幅がほぼ横ばいとなっているため、相対的に固定金利の金利の利率が魅力的と感じられていると思われます。
また、固定金利を選択した人の中では、借入期間を短めに設定することでリスクと総支払金額を軽減する選択をするFPも多くみられました。
REVIEW DETAILレビュー詳細
- 髙木FPの意見:10年固定
- ズバリ、借りるとしたら1200万円を15年間で。大型リフォームのためです。金利タイプは10年固定を選びます。私の住む愛知は金利競争が激しい地域。1.1%程度で借入れできれば、フラット35の20年以下タイプより魅力的。10年後、大きく金利上昇していても、残り額も減っているのであまり気にしません。固定期間終了直前、息子の結婚資金がいらなかったら(お相手次第?!・・笑)、どーんと繰り上げ返済するのも前提の10年固定です。
- 高橋FPの意見:全期間固定
- フラット35を20年で借ります。自己資金1割用意できれば、2014年6月の金利は1.450%。10年固定並みの金利で20年返済は魅力です。子どもは独立したので、リスクを取って返済額を抑えるよりも、金利の変動を気にすることなく、堅実に繰り上げ返済&リタイア後の資金作りに重心を置きます。
- 松本FPの意見:10年固定
- 40歳代おひとりさまの住宅購入と仮定するなら、1%台前半の10年固定を選ぶ。
金利上昇リスクを考慮すると全期間固定!と言いたいところだが、金利が上がらない安心と引き換えに、残債の減るスピードが遅くなるというのはこの年齢にとっては非常に痛いところ。
かといって、変動を選択するほど心臓が強くないので、全期間固定を借りたつもりの支払額と10年固定の返済額との差額を期間短縮の繰り上げ返済に回し、60歳までの完済を目指す。
固定期間終了後、もし金利が上がったとしても、残債が少なければ過度に恐れることはないと思う。
- 溝本FPの意見:変動
- 年齢も関係しますが、これから住宅を購入するにしても10~15年くらいで完済できる金額を前提に物件を選びます。
なので、基本は変動金利。
個人的な予想にすぎませんが、金利が上がり続けることはあまり考えていなくて、上がることはあっても上がったり下がったりの繰り返しかと考えています。
金利上昇リスクについは固定タイプを選ぶという選択肢以外に、残債が減るスピードを重視するという方法もありだと思いますから、私の考え方だと変動タイプ優先になりますね。提携ローンとかで「お!」と思うような5年・10年固定があれば、あっさりそちらを選ぶこともあるかもしれません。
- 駒崎FPの意見:変動
- 家族構成を考えると、新築戸建住宅を購入します。
そのため、住宅ローン3500万円、返済期間30年、変動金利を選びます。
変動金利でも返済額は5年間変更されません。全期間固定のフラット35Sと比較しても、返済額や団信の特約料も含めると100万円以上の差額がでるので、その金額を活用して繰上返済した方が返済負担が軽くなると思います。
- 高田FPの意見:全期間固定
- 面倒くさがり屋なので、放っておいてもケガをしないようにしたいです。なので、基本的には全期間固定。
ただし、年齢的に10~15年で返済できる借入れにとどめるので、当初引き下げ幅が大きい10年固定であれば、金利も低く実質全期間固定に近くなると考えます。
フラット35の20年以下も魅力。フラット35Sの金利Bプランを利用できる物件であれば、フラット35にします。
- 渡邉FPの意見:10年固定
- 夫婦二人の住まいをこれから購入すると考えるなら、頭金も多めに、15年ぐらいで完済出来る物件で考えます。
金利上昇は日本の経済環境を考えると個人的にはそんなに上がらないのではと考えますが、1%前半の金利を選択できれば、10年固定を選択します。
10年後だと残高も減っていますし金利上昇の影響も小さいし、繰り上げ返済も全固定の返済との差額と住まいが変ることによっての固定費の減額のメリットがあるば(そのあたりも考慮した物件を)、プラスし10年間貯めて、10年後いつでも残債を減らすように備えます。
- 海老原FPの意見:全期間固定
- 今新規で借りるとすれば、頭金を多めにしたフラット35の20年で検討してみます。
金利条件も良いですし、先々の金利変動に慌てず騒がず、安心して返していくことを優先したいので。
あるいは、金利や団信など含めて好条件の金融機関が見つかれば、10年固定タイプ×借入期間20年前後で組み、その後毎年繰上返済することを考えます。
いずれにしても、子どもの大学進学時に重荷とならず、定年前の完済見通しが立てられるよう試算した上で借りたいと思います。
- 志甫FPの意見:全期間固定
- 夫の定年と同時に子どもが大学卒業予定という晩婚家庭(汗)。夫の年齢と、これから子育てにお金がかかることを考え、金利にビクビクしない生活をしたいので固定金利を選びます。
なので、フラット35の所有資金の90%以内の借入で、金利を低く借りるタイプを選択。住宅ローン借入額1800万円・借入期間35年で月々返済額約6万円です。
幼稚園児の子どもがいるため借入期間を長めにとり毎月返済額を抑えます。これから教育費がかかる時期に備え、家計にゆとりと手元資金はしっかり確保しておきたいです。
子育て終了後、住宅ローンを一括返済していきます。無理せず、自分サイズの住宅購入をし、家族の成長にあった住宅ローンを選んでいきたいですね。
- 石川FPの意見:全期間固定
- 私ならば、現在の金利状況を踏まえて、全期間固定を選びます。最大の理由は、10年との金利比較の結果によります。
まだまだ収入や支出の不安定要素、つまり変動リスクは拭い去れないなか、せめて一番大きな出費については安定させておきたいと感じています。
私が考えている不安定要素は、小学生の子どもが私立の中高に行きたいと言い出したら、という小さな家計の出費増や、古くなった車を買い替えないといけなくなるという少し大きめの家計の出費増を指します。
しかも金利も、予想を上回るほど、低金利期間が継続しており、自然と長期の全期間固定を選ぶことになるかと思います。具体的には、25年~30年までのフラットにするでしょう。
- 中村FPの意見:5年固定
- 子供が3人いて、自分も妻も育った環境(実家)が一戸建てなので、購入するなら、一戸建て。そして、“今”住宅購入という想定では、我が家は共働きという事もあり、自己資金はある程度用意できているハズなので、住宅ローンは2500万円とします。
私の仕事は定年が無いので、60歳以降にローンが残っても構わないと考えていますが、それでも、60歳時点のローン残高は一括返済しようと思えばできるくらいまで、減らしておきたいとも考えています。
住宅ローンとの付き合い方のポイントは、総返済額ではなく毎月のキャッシュフロー(資金繰り)。毎月の返済額を考えてM信託銀行の「5年固定」を選択。当初5年間の金利が0.50%。5年経過後も1.70%優遇というのが選択のポイント。
返済計画としては、毎月の予算を12万円確保し、その上で、返済の余りは貯金しておき、『返済額軽減型』で繰上げ返済します。それから定期的に返済額軽減型を使いながら繰り上げ返済することで、60歳以降の返済額が17,000円程度。これくらいの支払いなら問題無いと考えています。(以上の試算は、金利上昇が無い場合の計算ですが、多少の金利上昇があっても無理のない返済計画と考えています。)
- 小栗FPの意見:全期間固定
- ここまで低ければ「全期間固定」です。安心感がありますから。
自分達の年齢を考えて、20年返済でフラット35s金利Aプランがベストだと思います。借入金額も2000万以内に抑え、団信はあえて加入せず、既加入の終身保険で対応します。そして可能な限り繰上げ返済して短期完済を目指します。
- 真鍋FPの意見:全期間固定
- 私の場合、土地の安い地方在住というメリットを活かして土地+新築注文住宅を購入します。
土地が安く手に入る事と、将来の減築(間取りを変える)を前提としユニットハウスを選択することで建物代を抑えます
これらの前提より、住宅ローン2,000万円、返済期間20年、全期間固定金利を選びます。
全期間固定金利を選択する理由としては、
・借入額が小さいので、10年ものとの金利差による影響が僅少であること
・現在の金融政策を続けた結果10年後の金利が読めないこと
・返済額が確定することで家計支出をコントロールしやすいこと
というのが理由です。
- 大木FPの意見:全期間固定
- 家計に不安定要素を持ち込むのが嫌なので全期間固定を選びます。
今の低金利なら固定でも家計負担感は大きくないはず。
- 小澤FPの意見:全期間固定
- 当初10年間が10年固定並に低い全期間固定の商品を知っているので、35年間借りるならその全期間固定を借りたいです。
フラットよりも総返済額、低くなるので*\(^o^)/*
でも私の稼ぎがもっと良ければ、変動で借りて、繰り上げ返済をマメにして短期間で返したいんですけどね…
- 髙根澤FPの意見:全期間固定
- 金利差は金利上昇リスクの保険料と考えて全期間固定金利でフラットを選択します。年齢的に返済期間は20年で。