2016 東京スター銀行勉強会@福岡~リバースモーゲージの3つの誤解を解く~

「リバースモーゲージの3つの誤解を解く勉強会&意見交換会 in 福岡」レポート

レポーター:ご当地FP 藤本ひろみファイナンシャルオフィス

2016年3月に名古屋で開催された東京スター銀行さんの勉強会を今回は、FP-RECO・藤本ひろみファイナンシャルオフィス・鬼塚FP事務所の共催で、2016年7月8日、福岡で開催しました。

東京スター銀行は、2001年6月創業で、九州では、今回セミナーが開催された福岡支店が拠点になっています。リバースモーゲージは日本ではあまり浸透しないイメージでしたが、そのイメージが変わるかも!?


 

Part1:リバースモーゲージに関する大きな誤解ベスト3

まずは、リバースモーゲージについて誤解されやすいベスト3について、お話をしていただきました。

(誤解その1)リバースモーゲージはお金持ちが使う商品である

東京スター銀行のリバースモーゲージ商品「充実人生」は、最低融資金額500万円から、自宅の担保評価額の約60%から70%での融資になるとのこと。つまり、自宅(土地)の評価が約800万円あれば、最低融資金額の500万円が融資を受けられる計算です。

(誤解その2)リバースモーゲージは家を手放さなければならない

東京スター銀行では、過去10年間の実積を見ると、相続人による元本返済手続きの方法は
・家を残すケース・・・約8割
・家を手放すケース・・・約2割
と、多くの人がそのまま家を残すケースが多いとのこと。

(誤解その3)リバースモーゲージはマンションでは使えない
エリアが、関東・東海・関西・福岡と限られてはいるものの、マンションでもリバースモーゲージが使えるのが、「充実人生」の特徴。こうしてお話を聞いてみると・・・私も確かに誤解していました!
日本の家は、建った瞬間から価値が下がっていくもの。その担保価値から、一般家庭とリバースモーゲージは縁遠いものという感覚でした。そして、最後(相続が発生した時)は、家を手放さないといけない、また、土地に価値が見いだせないマンションは、リバースモーゲージの対象外とも思っていました。


 

Part2:国内のリバースモーゲージの現状

第2部では、日本におけるリバースモーゲージの現状についてのお話をしていただきました。日本におけるリバースモーゲージ取り扱い金融機関は、2013年より急激に増加し、一般的な認知度が高まってきていて、利用する金融機関を選択できる環境が整いつつあるのだそうです。そのような中で「充実人生」の利用者数は、2015年度で5,000人超。資金使途は、住宅ローン返済や、リフォーム費用、余暇資金などの生活を豊かにする内容が増加傾向にあるとのこと。リバースモーゲージは、基本的に使い道は自由ですので、老後のゆとり資金として考えている人が多いということですね。

Part3:東京スター銀行のリバースモーゲージ「充実人生」とは

第3部では、「充実人生」について、利用条件や返済方法などについて、内容を詳しくお聞きしました。利用条件については、年齢要件や年収要件、自宅の使い道など、とても興味深いものでした。また、月々の返済は利息のみ。さらに「預金連動型ローン」なので、利用分(融資口座から引き出した分)にしか金利がかからないとのこと!これは良心的です。そして、福岡支店での利用事例をお話していただきました。事例としては「相続対策・夫婦で楽しむ余裕資金」、「住宅ローン借り換え」、「リフォーム、住宅ローン借り換え」「マンションでの利用例」などがあり、また、福岡県エリアだけでなく、近隣県においての事例もあり、都会に限らず地方においても利用できるもだということが、とてもよく分かりました。

Part4:今後の日本でのリバースモーゲージの展望について

第4部では、「資産に関する意識調査」を元に、リバースモーゲージの展望についてお話いただきました。親世代の考えとして、

A:自分たちの財産は子どもに残さず、自分自身で使いたい。その代わり、老後のことは子どもに頼らず自分自身で解決する
B:老後の面倒は子どもに最後まで見てもらいたい。その代わり、財産を子どもに譲り渡す

について、Aに近いと考えている80%。また、子世代の考えとして

A:親の財産は親自身に自由に使ってもらい、老後のことは親自身で解決してほしい
B:親の面倒は最期まで見る。その代わり、財産を自分に引き継いでほしい

では、Aに近いと考えている人が73.6%とのこと。親の財産について、親子世代の考え方の一致がみられます。また、リバースモーゲージの対象年齢人口が増加することも考えると、利用者が増加するとともに、リバースモーゲージが一般に広く認識されて行くものと考えられるとのお話でした。

Part5:意見交換

最後は、意見交換や質疑応答の時間でした。参加者9名からは、さまざまな意見や質問が出て、活発な意見交換の場になりました。

 

【FP藤本の感想】
この度の勉強会に参加して、まずはタイトルであるように、私自身、誤解していたことがたくさんあったことに気づきました。
リバースモーゲージは、一部の人にだけでなく、条件を満たせば、広く一般に活用が可能であり、家を手放さないという選択ができること、マンションでも利用可能であることを知りました。
そして、核家族化した現代で、親も子も持ち家があるという家庭も増えています。それは、親の持ち家を子どもに引き継がす必要のない家庭が多くあるということ。相続対策まで考え、生きている間に自宅を活用し、資金の融資を受ける、という視点からリバースモーゲージを必要とする家庭が出てくるのではないかと考えます。
リバースモーゲージで無理に融資を受ける必要はあませんが、リタイアメントプランニングにおいて資金が必要になった際には、選択肢の一つして活用できるものだと感じました。

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